電磁流量計
導電性のある液体を安定して計測したい現場では、圧力損失をできるだけ増やさず、配管条件の変化にも対応しやすい流量計が求められます。そうした用途で広く検討されるのが電磁流量計です。水処理、薬液供給、設備ユーティリティ、各種プロセスラインまで、液体流量の見える化と信号出力を両立しやすい点が大きな特長です。
このカテゴリでは、配管一体型の標準モデルから低流量向け、小口径配管向け、さらに大口径ラインに適した挿入型まで、用途に応じて選びやすい製品を取り扱っています。計測対象の液体特性、配管径、必要な出力信号、設置条件を整理しながら比較すると、導入後のミスマッチを減らせます。

電磁流量計が選ばれる理由
電磁式は、導電性液体が磁界を通過する際に生じる起電力を利用して流速を求める方式です。可動部を持たない構造が多く、流体の状態を大きく妨げにくいため、連続運転の設備でも扱いやすい計測方式として知られています。
特に、純粋な水系だけでなく、薬液、塩水、導電性のある工程液などを対象にする現場では有力な選択肢になります。機械的な回転部を使うタービン流量計とは選定の考え方が異なり、液体の導電率やライニング材、接液部材質の適合性が重要になります。
用途に応じた代表的なタイプ
電磁流量計は、まず配管一体型と挿入型で考えると整理しやすくなります。配管一体型は計測精度と安定性を重視しやすく、小口径から中口径のラインで導入しやすい方式です。一方、挿入型は大口径配管で配管改造の負担を抑えたい場合に検討しやすい構成です。
たとえばYOKEのYK-LDG-80S-M2F212P(2)NKは、DN80クラスのラインで4-20mAやRS485 MODBUS出力に対応する例として参考になります。また、OMEGAのFMG983シリーズやFMG982-Sのような固定深度挿入型は、大きな配管サイズに対応しやすく、設備全体の流量監視を行いたいケースで比較対象になります。
低流量・小口径ラインでの選び方
装置組み込みや薬液供給、分析設備まわりでは、低流量域を安定して見たいというニーズが多くあります。この場合は、単に配管サイズだけでなく、最小流量、必要精度、接液材質、電源条件まで含めて確認することが重要です。
OMEGAのFMG81A、FMG82A、FMG83A、FMG84Aは、1/4インチから3/4インチクラスの小口径配管やチューブ系統を検討する際の代表例です。PVDF接液や4-20mA対応などの条件が合えば、薬液や導電性液体の監視に適した候補になります。より高い分解能や精密計測を重視するなら、MultiTech LT-LDE-DN15のような小口径向けモデルも比較しやすいでしょう。
選定時に確認したいポイント
実務上は、カタログ上の流量レンジだけで決めないことが大切です。電磁流量計の選定では、測定液の導電率、配管口径、温度・圧力条件、出力信号、設置スペースを一緒に確認する必要があります。
- 液体が導電性を持っているか
- 常用流量が計測レンジの中で無理のない位置にあるか
- ライニング材や電極材が液体と適合するか
- 4-20mA、パルス、RS485など必要な信号を備えるか
- 配管一体型か挿入型か、設置工事の制約に合うか
たとえば、薬液や塩水などでは接液部の材質確認が重要ですし、監視システムに接続するならアナログ出力や通信仕様も見逃せません。単純な現場確認用途なら指示流量計のような別方式が適する場面もありますが、信号連携まで必要なら電磁式の優位性が出やすくなります。
代表製品から見る導入イメージ
中口径ラインの定常監視では、YOKEのYK-LDG-80S-M2F212P(2)NKのように、LCD表示付きで4-20mAとRS485 MODBUSを備えたモデルは、現場表示と上位接続を両立したい場合にイメージしやすい構成です。IP67など保護構造を確認できる製品は、設置環境の検討にも役立ちます。
一方で、OMEGA FMG983M-BやFMG983-S、FMG982-Sのような挿入型は、大口径配管で流量を把握したい設備向けの候補になります。既設ラインへの導入で、全面的な配管交換を避けながら計測ポイントを設けたい場合に比較しやすいタイプです。小口径ではOMEGA FMG81A〜FMG84AやMultiTech LT-LDE-DN15のように、装置組み込みを意識したモデルが選択肢になります。
他方式との違いをどう見るか
流量計は用途によって最適解が変わります。導電性液体で、圧力損失を抑えながら電気信号として流量を取り出したいなら電磁式が有力ですが、液体の性質や設備条件によっては他方式の方が適することもあります。
たとえば、比較的シンプルな構成で使われるパドルホイール流量計や、一定量の移送管理に向く容積式流量計が候補になるケースもあります。重要なのは、液体の導電性、必要精度、メンテナンス方針、信号出力の有無を整理した上で方式を選ぶことです。
電磁流量計を導入する際の実務的な確認事項
導入前には、配管方向、直管長の確保、空運転の可能性、電源の種類、盤側で受ける信号形式を確認しておくとスムーズです。電磁式は液体が満管状態で流れることが前提となるため、設置位置によっては本来の性能を出しにくい場合があります。
また、現場で必要なのが瞬時流量の監視なのか、積算管理なのか、あるいは制御信号として使うのかでも選ぶべき仕様は変わります。表示器付きモデル、パルス出力モデル、4-20mA対応モデル、通信対応モデルのどれを優先するかを整理しておくと、選定効率が大きく向上します。
まとめ
電磁流量計は、導電性液体の流量を安定して監視したい現場に適した選択肢です。小口径の低流量用途から、大口径配管の挿入型計測までラインアップの幅があり、液体条件や設備構成に合わせて選びやすいのが魅力です。
このカテゴリでは、YOKE、OMEGA、MultiTechなどの代表的な製品を比較しながら、用途に合うモデルを検討できます。配管径、流量レンジ、接液材質、出力仕様を整理し、実際の設置条件に合った一台を選ぶことが、安定運用への近道です。
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