ウェットフィルムゲージ
塗装やコーティングの品質を安定させるうえで、乾燥後の膜厚だけでなく、塗布直後の状態を把握することは重要です。乾燥収縮や塗布条件のばらつきを考えると、工程の早い段階で膜厚を確認できるウェットフィルムゲージは、現場管理や試験評価で役立つ測定器のひとつです。
とくに塗料、ワニス、樹脂系コーティングなどでは、仕上がり膜厚の目標に対して、塗布時にどの程度の厚みが形成されているかを素早く確認したい場面が少なくありません。本カテゴリでは、くし型やホイール型を中心に、用途や測定レンジに応じて選びやすいウェットフィルムゲージを取り扱っています。

ウェットフィルムゲージが使われる場面
ウェットフィルムゲージは、塗布直後の未乾燥塗膜に当てて、おおよその膜厚を確認するための測定器です。塗装ライン、試験片の作製、研究開発、受入検査、施工現場での工程確認など、塗膜管理が求められる幅広い場面で使われます。
乾燥後の膜厚を確認するには塗装厚さメーターが適していますが、塗布条件の是正をその場で行いたい場合は、湿った段階での確認が有効です。ウェット状態での測定は、塗り過ぎや塗布不足の早期発見につながり、再作業の抑制にも役立ちます。
主なタイプと使い分け
ウェットフィルムゲージには、代表的にくし型とホイール型があります。くし型は構造がシンプルで、塗膜に軽く押し当てて段差の接触状態から膜厚を判断する方式です。簡便で携帯しやすく、現場でのスポット確認に向いています。
一方、ホイール型は回転体を利用して測定する方式で、比較的細かな確認を行いたい場面で選ばれます。用途、塗料の粘度、必要な目安精度、検査頻度によって適したタイプは変わるため、測定レンジだけでなく、作業環境や使い勝手も含めて選定することが大切です。
取扱製品の一例
本カテゴリでは、ELCOMETERの製品を中心に、用途別に選べるラインアップがあります。たとえば、ELCOMETER B112----1B ウェット膜厚 (25 - 3000µm) は、広いレンジで塗膜確認を行いたい場面に適した選択肢です。塗布量の目安を現場で素早く確認したい場合に扱いやすい仕様です。
ホイール型では、ELCOMETER K0003230M007 ウェットフィルムホイール (0 - 300μm) や、ELCOMETER K0003230M009 ウェットフィルムホイール (0 - 500μm) のように、対象レンジに応じたモデルがあります。また、ELCOMETER KT003230N003 ウェットフィルムホイールハンドル (15cm (6”)) は、ホイール型の運用を補助する関連アイテムとして位置づけられます。
くし型では、ELCOMETER 3238 Long Edge Wet Film Comb (5–120µm; 5µm)、(25-600μm; 25μm)、(50-1200μm; 50μm) などがあり、比較的薄い塗膜から広めのレンジまで対応しやすい構成です。さらに、ELCOMETER 3236 Hexagonal Wet Film Comb (25-2000µm) のようなタイプは、より幅広い膜厚確認が必要な工程で検討しやすくなっています。
選定時に確認したいポイント
まず確認したいのは、対象となる膜厚レンジです。薄膜用途なのか、中膜・厚膜用途なのかで、適切な目盛範囲や刻み幅は変わります。実際の管理値に対してレンジが広すぎると読み取りの判断が粗くなりやすく、逆に狭すぎると対応範囲が不足することがあります。
次に、塗料の種類や施工方法も重要です。手塗り、スプレー、ロールコーターなど塗布方法によって膜の形成状態は異なり、測定のしやすさにも影響します。現場での持ち運びやすさ、清掃のしやすさ、測定頻度まで含めて考えると、シンプルなくし型が適する場合もあれば、ホイール型が使いやすい場合もあります。
また、工程全体で見ると、湿潤時だけでなく乾燥後の品質評価も重要です。必要に応じて塗料やコーティングの硬度を測定するための装置や、付着性確認に関わる接着テスターとホリデーディテクターと組み合わせて管理すると、評価の抜け漏れを減らしやすくなります。
測定時の基本的な考え方
ウェットフィルムゲージは、塗布直後の塗膜に対して短時間で測定するのが基本です。時間が経って表面状態が変わると、測定値の判断に影響が出ることがあります。測定面の代表性を意識し、必要に応じて複数箇所で確認することが実務上は重要です。
また、測定後は塗料が付着したままにならないよう、器具の清掃と保管にも注意が必要です。測定器自体の状態が悪いと再現性に影響しやすいため、ゲージのエッジ部や接触部を良好に保つことが、安定した運用につながります。
メーカー選びの見方
本カテゴリでは、BYKやELCOMETERといった、塗料・コーティング評価で知られるメーカーが選択肢になります。実際の選定では、ブランド名だけで決めるのではなく、必要なレンジ、現場での扱いやすさ、測定方式、関連アクセサリの有無を含めて比較することが現実的です。
同じウェットフィルムゲージでも、試験室向けの確認用途と、施工現場での簡易チェック用途では求められる使い勝手が異なります。運用する部門や測定フローに合う製品を選ぶことで、日常点検から品質管理まで無理のない導入につながります。
よくある確認ポイント
乾燥後の膜厚を直接測れますか
ウェットフィルムゲージは、基本的に未乾燥の塗膜確認に使う測定器です。乾燥後の膜厚確認には、対象材質に適した別種の膜厚計を検討するのが一般的です。
くし型とホイール型はどちらがよいですか
用途によって異なります。簡便さや持ち運びやすさを重視するならくし型、運用方法や対象膜厚によってはホイール型が適する場合があります。
測定レンジはどのように選べばよいですか
目標とする乾燥膜厚だけでなく、塗料の固形分や乾燥収縮、実際の塗布条件を踏まえて、管理したいウェット膜厚に合うレンジを選ぶのが基本です。
まとめ
塗布直後の膜厚確認は、仕上がり品質を安定させるための初期管理として有効です。ウェットフィルムゲージは、工程内での迅速な判断を支え、塗装条件の見直しや検査の効率化にもつながります。
本カテゴリでは、くし型やホイール型を含む各種製品から、用途に合った選定がしやすくなっています。対象の膜厚レンジ、作業方法、必要な管理レベルを整理しながら、現場に適した1台を検討してみてください。
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